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筆者の住む東京・品川は戸越銀座という街に、馴染みにしている居酒屋があります。そこの店長さんは料理がお好きで、どのメニューもハズレがない、と筆者は感じているのですが、そんな店長さんがいつだか、ボソッと「タレづくりは、結局のところ専門にしている会社の製造する製品には敵わない」と悔しそうに語っていたことが印象的でした。そんな話を前振りに、今回の【思い立ったが吉日】は、本当に専門家には敵わないものなのだろうか、という話題で徒然に語ってみようかと思います。

一言で「専門家」と言っても、いろんな分野の多彩な専門家の方がいらっしゃると思います。まあ、大きく括ってしまったら、大体の専門家の方に、素人は太刀打ちできないものだとは思うのですが、専門家の方も自分の成し遂げた仕事に慢心することは、人間であればあるものだろうとも思います。そんな専門家の「スキ」をつくのは、往々にしてその分野の素人だったりするのもよくある話、という気がしますが、そんな物語を筆者に感じさせてくれるのが、コーヒーの粉だったりします。

突拍子のない、飛躍した話のように思われるかもしれませんが、とりあえず筆者はコーヒーが好きで、それもインスタントではなく、ペーパーフィルターを使ってコーヒーの粉から入れたコーヒーが好き、という話からさせていただきましょう。なので、よくスーパーでコーヒーの粉を購入するわけですが、一般的なスーパーに置いてあるコーヒーの粉は、だいたい大手が発売している製品だったりします。個人差はあるのでしょうが、どうしても筆者にはこの製品があまり好きになれない。というか、美味しいと感じられないのです。だったらコーヒー専門店とかで、豆から挽いてくれるような製品を購入すればいいではないか、と思うのですが、それはそれで美味しいのはよくわかっているけれど、お財布にあまり優しくない。お値段と美味しさのバランスを考えて、いろいろ試した結果、筆者が辿り着いたのは、いわゆる業務用とか、ディスカウントとかいったカテゴリーに分類されるスーパーで見つけた、どこのメーカーなのかも分からないようなコーヒーの粉だったのです。

筆者の私観ではありますが、大手の製品だと「これ、みんなが美味しいと言えるやつー」とばかりにマウントを取られた気持ちになる味なのだけれど、前述のどこのメーカーかも分からない製品は、「わかる人にはわかるだろうけど、わからない人には分からないだろうなぁ、イェイ」と、往年のお笑い芸人さんのネタのような味で迫ってくる印象がある。どこかマイナーなものにリスペクトを感じてしまいがちな筆者だからかもしれませんが、後者の方が筆者の舌にはマッチするようなのです。

決して統計を取ったわけではないですから一概には言えませんが、筆者にはそんなどこのメーカーかも分からないコーヒーの粉が、大手の製品に一矢を報いたように感じられた次第です。私たちGFCも、ITの専門家であることに慢心することなく、時には自分たちが素人であるくらいの気持ちで新たな商品やサービス、技術などに向き合って、「一矢を報いる」ような、お客様にとって的確なサービスの提供を心がけたい、と気持ちを新たにしているところです。

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