
こんにちは、タピオカです。
今回も「キャリア理論」シリーズです。
私たちが普段よく耳にする、「アイデンティティ」という言葉。「アイデンティティ」と聞いて、みなさんは何をイメージするでしょうか?
この言葉は、実は「キャリア理論」から生まれています。唱えた方は、精神分析分野で功績を残したエリクソンです。「キャリア理論」の中でも「発達理論」と呼ばれる、人の発達をフェーズに分けて考えた理論です。
エリクソンの理論では、生まれてから老いるまでを「8段階」で分けています。興味がある方は「エリクソン 発達理論」で調べていただくと、すぐに出てきます。ここでは「青年・思春期(13〜22歳あたり)」の「アイデンティティの確立」について触れていきます。
「自分は何者なのか」
これが、アイデンティティの概念です。青年・思春期では、大体の方に「アイデンティティの危機」が訪れます。10代後半はみなさんにとっても、ちょうど学生と社会とのギャップが生まれて、現実が見え始めた時期かと思います。周囲の影響も受けやすく、比較して自分を考えてしまう時期でもあります。
また、「モラトリアム」という言葉もあります。ネガティブに使われるケースもありますが、これはアイデンティティを確立するまでに必要な期間とされています。学生の時に旅に出たり、逆に家に引きこもってみたりした人も多いのではないでしょうか。それはいわば、アイデンティティの確立に必要な時間。混乱の中に答えを出そうとする行為は、出口のないトンネルを歩いているようなものですよね。モヤモヤしている期間は気持ちが悪いし、元気も出ないし、モチベーションも上がらず、自分が嫌になる。そんな経験したことがある方は、多いと思います。それもまた「必要な期間」だ、ということです。
また「アイデンティティの確立」は青年期になされる、と言われますが、実は年齢に関わらず「アイデンティティの危機」は訪れます。アイデンティティが混乱したまま大人になった、と感じている方もいらっしゃるかもしれません。ちなみに私もその一人であり、子どもが生まれてからは特に「自分は何者なのか」をすごく考えた時期がありました。
「自分は何者なのか」が、見えない。つまり「自己理解」がないまま成長をしていくと、同じことを繰り返したり、次のフェーズでも困難を迎えていくことに繋がっていきます。キャリアで大切といわれている「自己理解」は、人が発達する上でもとても重要な部分であると私も実感しています。
発達理論は、他にも有名なユングやスーパーといった方々も提唱しています。大体は60歳くらいまでの考え方が多く、理論を唱えた方々の時代(100年前ほど)の人間の寿命が短いことも関係しているのかもしれません。ちなみにエリクソンは、老齢期(60歳以降)についての本も出しています。理論を唱えた人も、自分で感じてきた「気づき」から、研究を発表しているのだ、と感じます。またエリクソンが激動の19世紀に、ユダヤ人として生を受けたという背景もあったのかもしれません。
60歳以降と言われる老齢期から後の理論は現状、ありませんが、今後は人生100年時代と言われるように、100歳まで生きることは当たり前の時代へと変化していくかもしれません。老齢期からの残り40年の過ごし方についても、これから先、理論で細かく定義されていくのかも、などと考えたりもします。
「発達理論」のようなものを使って、自分を何かに当てはめて考えてみることは、自己理解にもつながると思います。みなさんも、ご自分のアイデンティティについて考えてみるのはいかがでしょうか。
では次回もよろしくお願いします!
GFCのホームページはこちら!
GFCへのお問い合わせはこちら!