こんにちは。
ヒゲダルマです。
VMware ESXi には利用可能な仮想ディスクが3種類あることは良く知られていると思います。
シックプロビジョニング(Lazy zeroed)、シックプロビジョニング(Eager zeroed)、シンプロビジョニングの3種類です。(詳細はこちら)
仮想ディスク作成時のデフォルトはシックプロビジョニング(Lazy zeroed)です。
各種資料によれば、シックプロビジョニング(Eager zeroed)が最もパフォーマンスが高く、シンプロビジョニングが最もパフォーマンスが低いとされており、シックプロビジョニング(Lazy zeroed)は中間とされておりますが、前述の通り、シックプロビジョニング(Lazy zeroed)がデフォルトなので、多くの方は余り意識せずにシックプロビジョニング(Lazy zeroed)を選択しているものと思います。私も同様です。
しかし、先日、とある案件で、3種類のパフォーマンスの違いについて改めて確認する必要に迫られ、検証環境で試してみましたので、その結果を下記したいと思います。
検証環境は以下の通りです。
- VMware ESXi 6.7 Update 3
- ストレージ:SATA SSD
- 仮想マシン:Windows 10
- 仮想ディスク:各15GB × 3種類
先ずは、CrystalDiskMark によるベンチマークです。
あれれ?
一応、シン < Lazy zeroed < Eager zeroed という感じではありますが、 誤差の範囲内程度の違いしかありません。
この結果だと、シンプロビジョニングで良くない?という気がしてしまいますねぇ。。。
少なくとも、Eager zeroed は期待外れという感じです。
そこで、ダミーのデータを用意して、実際にファイルコピーを行い、そのスループットを計ってみることにします。
用意したデータは 10MB のバイナリーファイル × 1024 = 10GB です。ファイルコピーには FastCopy を使用しました。FastCopy の設定はデフォルトです。
さて、結果です。
おお!
Eager zeroed がダブルスコアでダントツのパフォーマンスを見せました。
検証前の予想でも多少の差は出ると思っておりましたが、まさかここまでの差がつくとは想定外です。
これだけ差が出るならデータベースとかデータベースのログとかを格納する仮想ディスクは Eager zeroed にした方が良いかも知れません。
とは言え、Eager zeroed の仮想ディスク作成は非常に時間が掛かりますので、数十TB とかの仮想ディスクとかは事前に良く検討して下さい。せめて1TB くらいまでかなと個人的には思います。
一方で、シンプロビジョニングと Lazy zeroed は差がありませんでしたので、ストレージの有効活用を考えるなら仮想ディスクのデフォルトである Lazy zeroed は使用せず、シンプロビジョニングを選んだ方が良いかも知れませんね。
ちなみに、今回の案件では上記の結果を踏まえて、データベース格納用の 200GB の仮想ディスクは迷わず Eager zeroed を選択し、大量の画像ファイルを格納する 30TB の仮想ディスクはシンプロビジョニングに致しました。
と言うわけで、それなりに興味深い結果が得られたと思います。
皆様の VMware ESXi 構築時の参考になれば幸いです。
なお、VMware vSphere 関連の記事としては、以下のようなものもございます。
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ニッチな記事も多いですが、ご一読頂けますと幸いです。
以上、駄文散文ではございましたが、ご拝読ありがとうございました。
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はじめまして。
シン、シックプロビジョニングの速度比較、まさにこの情報が知りたかったです、すっかり忘れていたもので。
ただいまvSphere ver5.1(HDD構成)が稼働中で、10年ぶりにvSphere ver8(SSD構成)で数台の新CPUによるシステム組み直ししました。
ツールFastCopyは便利なので当方も使用してます。今度vSphere ver8でFastCopyツールを使用しないで素の状態のcopyコマンドで速度比較して最新マシンで検証してみたいと思います。
どうもありがとうございました。