
こんにちは、タピオカです。
キャリアの勉強をしてから約1年経ちますが、今もキャリア理論の本を少しずつ読んでいます。たくさんある理論ですが、誰が影響していて、どんな時代背景か、その理論を唱えた方がどんな人か、そんな深みをを知っていくのも今の楽しみになっています。
今回は、最近読んだ本の中からブリッジズの理論をご紹介します。
ブリッジズは、トランジション(転機)についての理論を提唱しています。「転機」とは、何でしょうか。goo辞書では「他の状態に転じるきっかけ。」とあります。すごくシンプルに言えば、「変わる」ことですね。
トランジションはどんな時に起こるかというと、入学や卒業、結婚、転居、転職、定年、お別れなど、予想できるものもあれば、突然やってくるものもあります。いつ起こるかわからない変化に対して、人はその都度乗り越えていきます。
ブリッジズはそこに、3つのフェーズがあると唱えています。
『終わり』
↓
『ニュートラルゾーン』
↓
『新たな始まり』
「終わり」から始まるところは、とても興味深いところです。
これは、どういった意味があるのでしょうか?
一つ例に出すと、転職をした場合。前職に対して自分の中で「終わり」がないまま転職をすると、前職の時はこうだった、こっちのやり方のほうが優れている、なぜこのやり方をしないのか等、自分のやり方や考え方にこだわってしまう。そんなケースがあります。その状況で仕事をこなしていくと、納得度が落ちていき、どこかで諦めるか転職をするか、同じことを繰り返してしまう可能性が高くなってしまいます。
人は慣れた環境を手放すことが、とても苦手です。学生から就職をした時と同じように、前の生活を懐かしみ、思い出して、切なくなるものです。みなさんもご存知のように、学生と社会人とでは全然、生活リズムも考え方も違います。先生のように丁寧に優しく教えてくれないし、気楽に話せる友達もいないし、学生時代の情報は仕事で使わなくなるのです。転職のケースも、場所が変われば今までのやり方が通用しないのもそうですよね。
トランジションの中で「終わる」ことは、「何を手放すか」ということだと私は解釈しています。転職は前の会社を辞めるという、一見過去を手放したように見えるのに、まだ自分の中の気持ちとして手放せてない、終わらせられていない。すると一時的に解決したように見えても、同じ悩みに陥りやすくなります。これと同様のことが、例えば新居への引っ越し、入学や昇進、結婚といった嬉しいはずの出来事の中でも起きていきます。自分でも見えていないし、周りからも気づかれないからこそ、「終わり」のないまま進み、モヤモヤを残すケースも多くあります。
トランジションの中には、儀式を伴うものもあります。例えば卒業式は、学生生活を終わらせる儀式ですね。卒業式の後、就職をするという場合には、学生生活の終わりから社会人として仕事を始めるまでの間にはお休みを挟み、新しい生活に向けた準備をしていきます。この期間のことをブリッジズは「ニュートラルゾーン」と呼び、終わってから始まるまでには「時間(ニュートラルゾーン)」が必要だ、という理論を唱えています。この「ニュートラルゾーン」を経て、次の学校への入学式や会社への入社式が行われて、「新たな始まり」がスタートする、と。
しかし私たちの普段の生活では、昇進や転職のタイミングで同じように儀式を行うことなく、終わらせる間もなく次に進む事も多いのではないでしょうか。そして日々の仕事に忙殺されて、モヤモヤを溜め込んでしまう。そんな人も中にはいらっしゃるかと思います。
真っ只中にいると気づかない自分の「トランジション」について、「いつ、どんな事を手放して、何を得たか」をちょっとでも振り返るだけで、自分の考え方や価値観の整理につながると思います。ぜひ一度振り返ってみてくださいね。
では次回もよろしくお願いします!
GFCのホームページはこちら!
GFCへのお問い合わせはこちら!