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今回の【思い立ったが吉日】カテゴリーは、「バランス」の話をしたいと思います。
「天は二物を与えず」などと申します。天は一人の人にいくつもの才能や長所を与えてはくれない、ということわざですが、ごく稀にはかの「二刀流」のようなスポーツ選手が現れたりするものの、たいがいは当たっているのかな、と思う次第です。長所があって短所がある、という人間の方が親しみやすく感じたりするのは、たいがいの人がそういう人間だからではないでしょうか。
表があって裏があるとか、陰陽とか、光と影とか、いろんな言い方がありますが、何事もいいところがあれば悪いところがあるわけで、そうやって物事は「バランス」が取れているのだと思います。そう考えることで、自分自身を受け入れることができたり、他人に理解を示すことができたりするものではないか、とつくづく感じます。
私の知り合いに、大手企業で営業職として、バリバリのスタープレイヤーと評価されていた人がいました。要は数字を上げることができる才能の持ち主だったわけですが、そんな彼とちょくちょく仕事をする機会があり、そういう人にもやはりいいところもあれば、悪いところもあるものだなあ、とよく思ったことを覚えています。
彼の短所は、人への配慮ができないことでした。彼はクライアントから数字をもらってくる力についてはずば抜けたものがありましたが、私も含め、彼に協力してくれる人たちに対して、彼は感謝の気持ちを表すことがありませんでした。一言で言うなら、「外面がいい」ということなんでしょうね。お客様に対しては大変誠実な態度で接するのですが、社内のスタッフに対しては「自分が稼いできているから、あなたたちは食べていけるのだろう」という上から目線な態度を取っていたのです。
そんな彼は、数字はずば抜けた結果を残すものですから、当然ながら出世していきました。さらには独立を果たし、社長となり、その会社の経営権を大手企業グループに売却することで、大きな富を得たそうです。
ところが、です。そんな彼も「家庭人」ではなかったようで、同じ伴侶と二度の離婚を繰り返し、最終的には会社の売却で得た富のほとんどを、慰謝料や養育費、裁判費用などに費やすことになったのだとか。これもまた、ある意味で「バランス」が取られた結果なのだろうか、と思ってしまいました。
このエピソードから、二つのことが学べるのではないかと思います。
一つは、感謝の気持ちをちゃんと持つこと。一人の人間が生きて生活をし、仕事をして対価を得られるのは、まわりにたくさんの人がいるおかげなのだ、と感じることが大切なのだ、ということです。当たり前のことではありますが、当たり前だけにともすると忘れがちになってしまうことではないかと思います。
もう一つは、「バランス」を取ることの大切さです。勝利には敗北がつきものであり、自身の勝利に喜ぶと同時に、敗者への配慮が必要なのは、スポーツの世界を見ていてもよくわかることだと思います。とあるチーム競技の選手が世界一になった時、自身の勝利を喜ぶ前に敗者となったチームの選手たちへ感謝の気持ちを表していた様子を見て、人間とはこうありたいものだ、と感じたことが思い出されます。
私たちGFCも、お客様に喜んでいただけるような結果を出した時、それを素直にうれしく思う気持ちを大切にしながら、そこへ一緒に関わってくれた人たちへの感謝の気持ちを忘れないように、「バランス」を取りながら日々の業務にあたりたい、と思う今日この頃です。
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