こんにちは。
ヒゲダルマです。
前回に引き続き、Acronis Backup 12.5を用いたV2Vについて、ご紹介したいと思います。
第3回はV2V(移行)方法についてです。
移行の大凡のステップは以下の通りです。
- 移行元ハイパーバイザー(ESXi)の仮想マシンをバックアップ
- 移行先ハイパーバイザー(Hyper-V)に仮想マシンをリストア
V2Vと言っていますが、要はAcronis Backupでバックアップ/リストアするだけです。
とは言え、バックアップ対象とは異なるハイパーバイザーにリストアを行いますので、多少考慮しないといけない点もありますので、その辺も多少触れたいと思います。
では早速、V2V方法を順を追って見ていきたいと思います。
ステップ1.移行元ハイパーバイザー(ESXi)の仮想マシンをバックアップ
①V2V対象の仮想マシンをシャットダウンします。
本番のV2V(移行)時には対象仮想マシンの完全な静止点をバックアップする必要があると思いますので、I/Oが発生しないよう仮想マシンはシャットダウンしてからV2Vを始めて頂くのが良いと思います。
ちなみに、リハーサルとして事前にV2Vを行う場合には、仮想マシンがオンラインでもAcronis Backupによるバックアップは可能であり、業務停止をせずにV2Vの検証を行うことが可能です。
と言うか、是非、本番前にV2Vの手順検証と、V2V後の仮想マシンの動作確認を実施頂くことをお薦めします。
②Acronis Backupの管理画面、左側のペインにて【デバイス】⇒【VMware】⇒【ホストおよびクラスタ】⇒【該当のESXiホスト】を選択します。
③V2V対象の仮想マシンをチェックオンし、右側のペインから【バックアップ】を選択します。
④新規バックアップ計画が表示されますので、名前の横の【鉛筆アイコン】をクリックします。
⑤適当にV2Vとでも計画名を指定し、【OK】をクリックします。
⑥バックアップ対象は【マシン全体】を選択し、【バックアップ先】をクリックします。
⑦V2V時の仮想マシン格納領域(バックアップ)として、【ネットワークフォルダ】を選択し、【ネットワーク共有フォルダのパス】を入力し、パスの横のアイコンをクリックします。
⑧資格情報を求められたら、以下の通り、適宜入力します。
ユーザー名:共有フォルダに接続可能なアカウント
パスワード:当該アカウントのパスワード
⑨下図の通り、仮想マシン格納領域が指定できたら【追加】をクリックします。
⑩スケジュールはオフにします。(リハーサル等で仮想マシンをオンラインでバックアップする場合には夜間実行でスケジュールしても良いでしょう。とりあえず、今回は直ぐにV2Vするのでオフにします。)
⑪クリーンアップは【無期限に保存する】にします。(V2Vの場合には余り考慮しなくても良いパラメータだと思います。)
⑫前述の通りバックアップ計画の指定が終わったら、下図にて【作成】をクリックします。
ここで上図を良く見ると、「VMへの変換」というオプションがあります。
今回は無効のままバックアップだけを実施しますが、ここで「VMへの変換」を指定し、各種パラメータを与えれば、「バックアップ ⇒ リストア&リストア後のV2Vに必要な処理」これらを一発で済ませてしまうことも可能です。
今回は各プロセスをシンプルにして、V2Vのプロセスを順に見ていきたいと思い、敢えて無効にしていますが、実際のV2Vでは「VMへの変換」を使って頂くのが宜しいかと思います。
⑭バックアップ処理が始まりますので、暫く待ちます。(ちなみに、エージェント或いは仮想アプライアンスと管理サーバーの通信が上手く行かず、このタイミングでエラーとなることがたまにあります。回避策については後日改めてブログに書こうと思います。)
⑮バックアップが無事に完了しました。これでV2V前半戦は終了です。
ステップ2.移行先ハイパーバイザー(Hyper-V)に仮想マシンをリストア
①Acronis Backupの管理画面にてV2V対象の仮想マシンをチェックオンし、右側のペインから【復元】を選択します。
⑤VMware ESXiと表示されている箇所をプルダウンし、【Microsoft Hyper-V】を選択します。
⑥以下の通り選択/入力し、【OK】をクリックします。
・新しいマシン
・移行先Hyper-Vホスト(下図例ではMITO-HYPERV01)
・マシン名:Hyper-Vマネージャー上での表記(下図例ではV2V_ESXi_Hyper-V)
⑦【パス】を選択し、V2V移行先(仮想マシン)の格納領域を指定します。指定しないとHyper-Vデフォルトのパスに格納されます。
ディスクマッピングを選択すると、V2Vのタイミングで仮想ディスクのプロビジョニング(容量可変⇔固定サイズ)を変更することも可能です。(今回は省略します。)
⑨メモリ、仮想プロセッサ、ネットワークアダプタについては移行前の情報を自動で引っ張ってきますので、必要に応じて各々適宜変更し、【OK】をクリックします。
今回は以下の通り仮想マシンの仕様を変更してみました。
メモリ:2GB ⇒ 4GB
仮想プロセッサ:1 ⇒ 2
ネットワークアダプタ:VM Network ⇒ vSwitch
ESXiとHyper-Vでは仮想ネットワークの名称が異なりますので、ネットワークアダプタについては必ず変更しておかないと、仮想マシンがネットワークに接続出来なくなってしまいますので要注意です。
⑩V2V(復元)の内容について最終確認をし、問題無ければ【復元を開始】をクリックします。
⑬Hyper-Vマネージャー上でも当該仮想マシンがV2Vされたことを確認出来ます。
ハイパーバイザーの変更に伴う仮想マシンの仕様変更により、デバイスドライバ等の差し替えが発生しますので、ログオン後、2,3回再起動を要求されます。処理は自動で行われますので、画面に再起動の指示が出たら、それに従います。
⑮一応、V2Vの結果確認です。
ネットワークも問題無く使えているようです。
⑯サービスを見るとVM Toolが無効化されており、代わりにHyper-V関連のサービスが自動で組み込まれ、サービス開始していることが分ります。
これでAcronis Backupを用いたV2Vは完了です。
この手の作業としては比較的ハマリどころも少ないと思います。
また、ハイパーバイザー/仮想マシンの仕様変更に伴うデバイスやサービスの入れ替えまで含めて自動処理されるので、大量の仮想マシンをV2Vするケースではかなり効果的なのでは?と思います。
と言うわけで、Acronis Backup 12.5によるV2Vについて、全3回でご紹介致しましたが、如何だったでしょうか?
別にAcronis社の回し者ではありませんが、これほど簡単にV2V出来て、かつV2V後はそのままバックアップ運用にも使用可能なことを考えると、Acronis Backup Virtual Hostライセンスが1つで\120,000は中々魅力的だと思います。
仮想マシンのバックアップと将来的な移行手段としてAcronis Backupを採用しておくのも悪くないのでは無いでしょうか。
以上、駄文散文ではございましたが、ご拝読ありがとうございました。
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